カウンセラー、セラピストと聞くと、みなさんはどんなイメージを持たれるでしょうか?
直訳すれば、カウンセラーは「カウンセリング(Counseling)をする人」、セラピストは「セラピー(Therapy)を施す人」となりますが、その役割を遂行するためには、自分自身をメンテナンスする時間が必要です。
そこで今回はカウンセラーとセラピストにとって「必要なメンテナンス」と、その手段のひとつとして『ヒプノセラピー』をオススメしたいと思い記事にしてみました。
人と関わるお仕事をされている方にも、自分を大切にするとはどういうことかを考えるきっかけになっていただければ幸いです。
カウンセラーとは?
カウンセラーとは、傾聴と対話(カウンセリング)を通じて、クライアント(カウンセリングを受ける人)の悩みや感情を整理する手助けをする「心の専門家」です。心理学の専門知識や心理療法を用いて、悩みや不安を抱える人の話に寄り添い、自ら改善・解決に向け行動できるよう支援します。
メンタルヘルスの領域では主に公認心理士(国家資格)や臨床心理士、キャリアの領域では国家資格キャリアコンサルタントや産業カウンセラーなどが活動しています。またその他の民間資格保有者でもカウンセラーと名乗ることは可能です。
カウンセラーには個人情報保護とカウンセリングに対する守秘義務があり、話した内容が外に漏れることはありません。
またカウンセリング前には、カウンセラーから注意事項を提示し、同意書を取り交わしたうえで行います。特に、精神疾患の有無や通院・投薬状況などの確認は必須です。
セラピストとは?
セラピストとは、専門的な知識・技術を用いて身体や心の不調を癒やし「健康の維持・向上をサポートする専門職」です。
目的はあくまでも「リラクゼーション(※1)」に限らており、医師法、あはき法(※2)に触れる行為は禁止されています。
※1 リラクゼーションとは?
心と身体の緊張をほぐし(緩和し)、ゆったりとした休息状態(副交感神経優位)に導く手技やサロンサービス。マッサージ(医療行為)とは異なり、主にストレス緩和やコリの解消、心身の休息を目的とする。
※2 あはき法とは?
正式名称:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律
医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
アロマセラピスト、リフレクソロジスト、ヘッドセラピストなどがよく知られていますが、どれも薬や手術に頼らず手技、香り、心理療法などで心身のバランスを整え、癒やしを提供します。その際、ヒーリング音楽(自然音やピアノ楽曲)をかけたり深呼吸を促したりすることで、ヒーリング(癒し)の効果を高めます。
なお施術前には、セラピストが留意すべき事柄(当日の体調、アレルギー、外部・内部疾患の有無など)をヒアリングし、クライアントの状態を把握します。また施術を受ける上での注意事項の説明、同意書の取り交わしをしたうえでセラピーを行います。
セラピストの資格にもよりますが、基本的には個人情報保護と守秘義務など、カウンセラー同様のリテラシーが求められます。
カウンセラー・セラピストに必要なメンテナンスとは?
カウンセラーの場合
カウンセラーの場合、自身のカウンセリング内容について、定期的にスーパーバイザー(SV/教育的指導者)からスーパービジョン(事例指導)を受ける必要があります。これは、より良いカウンセリング手法の習得のため常に研鑽するという目的もありますが、カウンセラー自身がバーンアウト(燃え尽き症候群・情緒的消耗)してしまうことを防ぐためでもあります。見直しや軌道修正を行うためには、経験豊富な第三者の目で客観的に判断する必要があるでしょう。
これを怠ると、カウンセラー個人のステレオタイプ(固定概念)、バイアス(先入観、偏見、または認知の偏り)がクライアントに影響してしまう恐れがあります。最も悪いのは、歪んだ指示や誘導(絶対してはいけませんが)をしてしまうことです。これは本来クライアントが望む状態でなくなるどころか、さらにクライアントを追い込む結果となります。
例えば、夫の不倫で悩んでいるクライアントがカウンセリングに来たとします。そのクライアントに対応したカウンセラー自身も同じ悩みを抱え、解決できずにいたとしたら…いったいどうなるでしょう?クライアントに同調し、一緒に怒り「そんな夫には制裁が必要ですね」など歪んだ誘導をしてしまうかもしれません。これでは、改善どころか問題を大きくしてしまいます。
この例に限らず、カウンセラーはクライアントの悩みを聴く中でカウンセラー自身の傷に触れることがあります。そんな時必要なのが、クライアントと自分の問題・課題を切り分けて関わることができるスキルとマインドセットです。
カウンセラーもひとりの人間ですが、この仕事をするならば、自分の傷を癒せていない状態でカウンセリング行為を行ってはいけないのです。クライアントに寄り添いながらも、客観的な視点で接しなければなりません。
カウンセラーもカウンセリー(カウンセリングを受ける人)となってカウンセリングを受け、自分の課題を解決しておくことは、クライアントを守ることにもなります。
セラピストの場合
セラピストの場合も、定期的なスキルの確認と自己研鑽が必要です。もちろんセラピーの種類にもよりますが、スパのような身体施術の場合、大手以外はSVを配置しているサロンは少ないのが現状でしょう。従ってより個人として自律していることが求められます。
セラピストも施術前のヒアリングや施術中のクライアントとの関わりの中で、高圧的な言葉やカスハラ・セクハラ行為、あるいは施術終了後に嫌がらせなどを受けることもあると言われています。
「人と接する仕事はよくあることだから…」などと言って、傷ついた心を放置してはいけません。フラッシュバックやトラウマなど心と体に影響を及ぼすこともあり、別の問題へと移行するかもしれません。そうならないためにもメンテナンスが必要で、その第一歩がカウンセリングを受けることです。
日本では、一般の人がカウンセリングを受けるのは少しハードルが高いかもしれませんが、セラピストは積極的に受けて欲しいと思います。なぜなら、少なからず接客手法や心の学びを習得し、人に寄り添うことを生業(なりわい)としているからです。
まず自分を大切にするということは、人と関わる仕事をするうえで欠かせない心構えです。
ヒプノセラピーのススメ
顕在/潜在
カウンセリングは、クライアントがカウンセラーの正面または斜め前に置かれた椅子に座り、意識がはっきりした状態で話します。ほとんどは顕在的に感じている悩みについて語り、その間カウンセラーは共感的理解をしながら傾聴します。
一方ヒプノセラピーの場合は、クライアントはリクライニングチェアに座り(またはベッドで横になり)目を閉じます。セラピストはクライアントがリラックスした状態になり潜在意識にアクセスできるよう声をかけていきます。そしてクライアント本人が見ている世界を話してもらいます。
このように二つの違いは『顕在意識(意識)』と『潜在意識(無意識)』の、どちらの状態でセッションするかということです。
例えば、「プレゼンをする時はいつも緊張してしまう」という悩みがあったとします。この課題に対してカウンセリング(顕在意識)では、代表的な手法のひとつ「認知行動療法」で「認知の修正」を行います。この認知行動療法、つまり顕在意識の状態では解決できないといった場合、潜在意識が影響しているかもしれません。なぜなら人間の意識は『潜在意識(無意識)』が90%以上を占め、行動をコントロールしているからです。
このことを活用し「ポジティブなアファメーション」(プレゼンはいつもうまくできるなど)を潜在意識に埋め込むことで、クライアントが望む状態に導くのが『ヒプノセラピー』です。
ヒプノセラピーとは?
ヒプノセラピーとは、催眠状態を利用して心理的な問題を解消する治療法です。詳しくは過去の記事をご覧ください ↓
ヒプノセラピーにおいて、現実的な問題への対処として有効なのが「暗示療法」です。先ほどのプレゼンの例で挙げたのがこちらです。
「痩せたいのに食べてしまう」などついつい(無意識に)手が出てしまう行動は、認知行動療法など顕在的な対処法では限界もあります。この場合、暗示療法を使って「痩せてスーツをビシッと着こなす」のようなポジティブなイメージを埋め込むことで潜在意識が行動をコントロールし始めます。
外科手術のように「わかりやすく見えるもの」ではありませんが、カウンセリングよりも気軽に体験でき、リラックスした状態で受けられるヒプノセラピーは、自分の力で改善できるためどんな方にもオススメです。
顕在/潜在両方を整えてこそ「その人全体が整う」と言えるのではないでしょうか。
体験談その2
ヒプノセラピーは、セラピストによって扱う種類は違いますが、退行療法・暗示療法などがあります。
わたしもセラピストなので、先日久しぶりにメンテナンスを兼ねて前世療法を受けました。特段「こうなりたい」とか「こんなことで困っている」などの悩みがないので暗示療法は選択しませんでした。その代わりずっと気になっていた義理の兄(生後一週間で他界)との過去の関わりを見てみました。
「どんな感じで見えるの?」と言われれば…『目を閉じて自分ひとりで映画を見ている』という感覚に近いかもしれません。目から入る映像ではなく潜在意識から送られる映像なので、それを具体的な言葉にしてセラピストに伝えていくのです。
ひとりの世界なので、わたしが見ている映像を目の前にいるセラピストでさえ同じようには見ることはできないし、ましてや本当にあった過去の現実かどうかもわかりません。そんな状態ですが、セラピストはその世界を理解するため真摯に寄り添い、サポートしてくれます。
こんな風に、映画を見たり占いをしたりするようなラフな感じで受けて構いません。もちろん過去の記事にも書きましたが、亡くなったペットに会いたいなど、今つらい思いを抱えている人にもヒプノセラピーはオススメです。
過去の記事はこちら ↓
今回も初めは何も見えませんでしたが、次第にそれが砂嵐だったことがわかり、インドに近い中東地域で貿易をしていた男性の意識に入りました。(下記は夢物語と思ってご笑覧ください)
石造りの自宅周辺には誰もいません。家の中にいたはずの家族もおらず、ガランとしています。仕事で留守にしている間に紛争が起き、家族が拉致されたようでした。その男性は結婚したばかりで、両親祖父母と弟妹も一緒に養っていましたが、その後も家族は見つからないまま独りで生きていました。塩や金などの売買で財を成し、50代半ばで連れ子のいた女性と再婚しました。孫二人にも恵まれましたが、最後は病死した人生でした。
この一連の物語は、自分が見えている世界をセラピストからの問いかけに答えながら表現してきたもので、はっきりと記憶しています。催眠療法と聞くと意識を失っていると勘違いされますが、全くその逆で、むしろこちらの世界にセラピストが追従するといったイメージです。
ちなみに、義理の兄はその時の再婚相手の連れ子、つまり義理の息子だったようです。「お母さんをお願いします」という思いが、現在の義母との深い関わりに繋がり、納得感とともに目が覚めた…という流れでした。
この体験をどう捉えるかは自分次第です。自然と溢れ出る涙や、目が覚めた時の爽快感は、自分だけの宝物になることだけは間違いありません。
まとめ
今回はカウンセラーとセラピストにとって「必要なメンテナンス」と、その手段のひとつとしての『ヒプノセラピー』を改めてご紹介しました。
こころを扱う仕事をしている人はもちろんですが、そうではないみなさんも、からだの健康維持のため運動や食事療法など様々な取り組みをしているのではないでしょうか。
今回この記事が、目に見えない『こころ』のメンテナンスにも意識を向けるきっかけになってもらえれば幸いです。
